のどの調子が悪くなったとき、耳鼻咽喉科と内科のどちらにかかれば良いのか迷う方も多いのではないでしょうか?
咳や痛みなどの、のどの症状は、鼻の症状と関係していることがよくあります。のどの調子が悪いなと感じたら、のどと鼻の専門家である耳鼻咽喉科の受診をお勧めします。
- ● 急性扁桃炎
-
急性扁桃炎とは口蓋垂(こうがいすい:のどちんこ)の左右に一個ずつある口蓋扁桃に急性の炎症が起こる病気です。
健康な人でも、扁桃にはもともといろいろな細菌が潜んでいます。風邪ウイルスの感染や疲労がきっかけとなり、いつもはおとなしい細菌が悪さをして急性扁桃炎を発症します。風邪様の症状(発熱、悪寒戦慄、頭痛、全身倦怠)と強い咽頭痛が特徴です。
なお急性扁桃炎を頻繁に繰り返す方がいらっしゃいます。これを反復性扁桃炎と言いますが、年間4~5回以上起こすようなら、扁桃摘出術をお勧めします。 - ● 急性上気道炎
-
急性上気道炎とは、鼻からのど(咽頭、喉頭)の急性炎症です。
急性上気道炎は、部位により急性鼻炎、急性咽頭炎、および急性喉頭炎などに細分化されます。急性鼻炎だけ、急性咽頭炎だけ、急性喉頭炎だけの場合もありますが、急性鼻炎と急性咽頭炎、急性咽頭炎と急性喉頭炎だけのこともあります。もちろん急性鼻炎、急性咽頭炎、急性喉頭炎のすべてが同時に起きていることもあります。
原因となる病原体の多くは、風邪ウイルスです。最初はウイルス感染だけでも、後々、細菌感染が加わることもあります。また、最初から細菌感染が起こることもあります。 - ● 急性咽頭炎
-
のど(咽頭)の粘膜やリンパ組織に生じる急性の炎症です。風邪ウイルス(アデノウイルス、インフルエンザウイルス、コクサッキーウイルスなど)によるケースが多いです。
最初はウイルス感染だけでも、後々、細菌感染が加わることもしばしばです。また、最初から細菌感染が起こる場合もあります。
のどの違和感や痛み、物が飲み込みにくくなる、などの症状が現れます。 - ● 急性喉頭炎
-
急性喉頭炎とは、のど(喉頭)の粘膜に生じる急性の炎症です。風邪ウイルスによるケースが多く見られます。最初はウイルス感染だけでも、後に細菌感染が加わることもしばしばですが、最初から細菌感染が起こることもあります。
声がかすれる、声が出しづらい、のどが痛い、などの症状が現れます。
なお喉頭の中でも、声を出す声帯に炎症が起きた病態を急性声帯炎と言います。 - ● 慢性咽頭炎・慢性喉頭炎
-
慢性咽頭炎、慢性喉頭炎とは、長期間、のど(咽頭や喉頭)の粘膜やリンパ組織に生じる慢性の炎症です。急性咽頭炎、喉頭炎が繰り返し起こり、慢性咽頭炎、喉頭炎となる場合のほか、喫煙、飲酒、大気汚染、慢性鼻炎や慢性副鼻腔炎による後鼻漏(こうびろう:鼻水がのどに落ちること)、喉頭アレルギー(のどのアレルギー)、逆流性食道炎*などが主な原因です。
のどの違和感(不快な感じ、乾燥した感じ、つまった感じなど)、軽いのどの痛みなどの症状が現れます。※ 逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん):胃酸や十二指腸液、胃で消化される途中の食物が食道に逆流して食道の粘膜を刺激し、炎症やびらんを起こす疾患。胸やけや胸の痛みなど、さまざまな症状が生じる。
- ● 声がれ
-
のどの使い過ぎによる一時的な声がれは心配無いのですが、数ヶ月続く場合、徐々に進行する場合、反復して起こる場合などは、原因を特定するために、耳鼻咽喉科医にご相談ください。
- ● 喉頭がん
-
喉頭がんは、喫煙者と多量飲酒者に発生率の高いのが特徴です。
声門上部に出来る「声門上がん」、声帯に出来る「声門がん」、声門下部に出来る「声門下がん」の3つに分けられ、症状はそれぞれ異なります。
- ● 声門上がん
- 異物感、いがらっぽさ、食べ物を飲み込むときに痛む、などの症状が見られます。
- ● 声門がん
- のどではいちばん多いがんで、初期症状は、声のかれです。食べ物を飲み込むときに、違和感をともなうこともあります。
- ● 声門下がん
- かなり進行するまで、自覚症状がありませんが、最初の症状は、声のかれです。
- 風邪をひいた
- のどの痛みがある
- 咳が続く
- のどの違和感がある
- 声がかれる
- のどにできものがある
- 味覚障害があるようだ など